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「いつから始めるべき?」社会人の予備試験スタートガイド

勉強の仕方とスケジュール

社会人として予備試験・司法試験に挑む場合、学生時代とは異なる大変さが存在します。仕事との両立、家庭やプライベートの時間とのバランス、そして時間的・経済的な制約など、多岐にわたる要因が受験勉強の進め方やスケジュールに影響を与えます。

社会人が予備試験・司法試験を目指す背景

予備試験・司法試験は、多くの学生だけでなく、社会人にとっても魅力的な選択肢となっています。

キャリアチェンジや専門性向上のための選択

多くの社会人が司法試験を目指す最大の理由は、キャリアチェンジです。現在の職業や業界に満足していない、または新しい挑戦を求めている人々にとって、法律家としてのキャリアは新たな可能性や展望を提供します。また、既に法律に関連する業務に従事している社会人にとっては、専門性をさらに深化させるためのステップとして司法試験を選択することも少なくありません。

社会人としての利点と制約

社会人としての経験や知識は、司法試験の勉強や実際の法律家としての業務において、大きな利点となります。実務経験や人間関係の構築能力、交渉スキルなど、社会人として培ったスキルセットは、法律家としての業務においても非常に役立ちます。

一方で、社会人としての制約も無視できません。時間的な制約や家庭や仕事とのバランスの取り方、経済的な制約など、多くの課題が存在します。闇雲に法律の勉強を始めるのではなく、効果的な受験勉強を進めるための戦略や工夫が社会人には求められます。

予備試験の概要

予備試験の目的と内容

司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院(既修コースなら2年、未コースなら3年)を卒業するか、予備試験に合格する必要があります。社会人が働きながら司法試験を目指すとなると、大学院に通う時間はありません。そのため、社会人受験生は予備試験経由で司法試験を目指す人が大半です。

試験科目は、憲法・行政法・民法・会社法・民訴・刑訴・一般教養です。短答試験・論文試験・口述試験があります。それぞれ、合格者のみ先の試験へ進めます。

口述まで全て合格した人が、予備試験の最終合格者です。途中で不合格になった場合、また来年、短答式からやり直しになります。

受験資格や試験日程

予備試験の受験資格に制限はありません。誰でも受験することが出来ます。大学入学前の高校生でも受験できますし(実際に高校生合格者もいる)、定年後のご年配の方でも受験できます。

試験日程は、7月に短答式試験(1日間)、9月に論文試験(2日間)、翌1月に口述試験(2日間)があります。詳細はこちらの記事にまとめています。

最適なスタートタイミングの判断基準

以前からぼんやりと司法試験を目指したいと思っているけど、いつから開始したらよいのか迷っている方もおられます。スタートタイミングの判断にあたって、参考となる基準をいくつかご紹介します。

現在のキャリアステージや年齢

キャリアの初期段階であれば、法律の基礎知識を身につけるための時間やエネルギーが比較的確保しやすいかもしれません。一方、キャリアの中盤以降では、現在の職務や家庭の事情など、多くの要因が勉強時間の確保を難しくする可能性があります。

反対に、キャリアの初期段階は忙しくて一杯いっぱいで、受験勉強をしている余裕がないかもしれません。仕事に慣れて業務の全体像が見えて落ち着いてきた頃の方が勉強に集中できるかもしれません。どんな仕事を持っているかによって、よいタイミングは変わってきます。

ただ、年齢とともに学習能力や集中力、周りの環境(家庭等)が変化することも考慮に入れるべきです。中年に差し掛かって仕事自体は覚えたが、今度はマネジメントを期待されるようになり、今までとは違った管理系の仕事が求められるようになって、それもそれで余裕がなくなるといった事態も想定されます。

となると、適切なタイミングなんてないのではないかと思ってしまいますが、結局はやりたいと思った時に勉強を開始するのが一番良いのかもしれません。タイミングに正解はありません。

個人の生活環境や時間的制約

家庭の事情や現在の職場の状況、趣味やライフスタイルなど、個人の生活環境はスタートタイミングの判断に大きく影響します。

また、仕事や家庭での時間的制約を明確にし、それに基づいて勉強のスケジュールを組むことで、効率的な学習が可能となります。

予備試験の勉強にかかる平均的な時間

予備試験合格までに必要な勉強時間は、人それぞれ(能力、ポテンシャル、地頭の良し悪しによる)なので、一概には言えません。人によって幅がありすぎるのですが、トータルで3000~10000時間程度と言われています。

週休2日の会社員であると想定すると、下記のイメージとなります。

想定状況平日休日1年間の勉強時間合格までの年数
現実的なペースで進める2時間/日10時間/日約1650時間3年間
(5000時間)
ハイペースで走り抜ける4.5時間/日10時間/日約2250時間2年間
(4500時間)

詳細は下記記事にまとめています。

実際、働きながら準備期間1年で予備試験に受かった天才社会人はこの世に存在しますが、普通の人(東大文系未満の方)であれば、1年での合格は期待しない方が現実的に良いかと思います。煽っているわけではなく、さすがに東大の現役生でも平気で落ちる予備試験に、働きながら1年で受かるのは並ではありません。

受験になれていて地頭が良い社会人の方で早ければ3年、そこまででもない社会人受験生であれば5年程は見ておくのが現実的です。

社会人受験生には効率的な勉強方法を追求する努力が必要不可欠

述べてきたように、社会人が予備試験・司法試験の勉強を始める際、時間的制約や仕事の負担など、多くの課題が待ち受けています。

基本的には、勉強時間を捻出する努力が必要不可欠です。まずはそこから改善していきましょう。その上で、かき集めた時間を合格に結び付けるために、無駄を排除していくことが必要です。

仕事との両立のコツ

仕事と勉強を両立していくために、意識すべきことです。どれも当たり前なので書くまでもない…かもしれませんが、実際に受験勉強を継続していくとおろそかになっていきます。

「当たり前だろ」と読み流す前に、いま一度自分が出来ているのか振り返ってみる機会を設けていただけると幸いです。

スケジュールは明確ですか?
週や月の勉強計画を立て、それを守ることで、仕事とのバランスを保ちながら効果的に学習を進めることができます。

毎日の習慣になっていますか?
短時間でも毎日勉強することで、継続的な学習のリズムを作り出すことができます

休憩時間やスキマ時間も活用していますか?
仕事中の休憩時間や昼休みを利用して、短時間の復習や問題解決を行うことで、効率的に学習を進めることができます。ちょっとした時間にYoutubeやTwitter(X)で

予備校やオンラインリソースの活用

少ない時間でなるべく効果的な学習とするためには、予備校の利用が欠かせません。

司法試験受験の専門家の指導
予備校の講師は、優秀な成績で予備試験や司法試験に合格した歴戦の実力者たちです。実際に合格経験があり、指導経験も豊富な司法試験受験の専門家からの指導を受けることで、効率的な学習方法や重要なポイントを把握することができます。

オンライン講座や動画教材
自宅や移動中でも学習を進めることができるオンラインリソースを活用することで、時間や場所の制約を乗り越えることができます。また、予備校が配布しているテキストは試験に最適化されており、どこを暗記すべきか、どんな考え方を身につけるべきかのノウハウが分かりやすく詰まっています。

答案練習や過去問演習
予備校やオンラインリソースで提供される模擬試験や過去問を利用することで、実際の試験に近い状況での学習や評価が可能となります。特に、論文試験の対策は予備校を利用しなければ合格は不可能ではないかとすら思う程、解説や講義が充実しています。

予備校の選び方については下記にまとめています。

社会人としての予備試験挑戦は、多くの課題や困難が伴います。

しかし、その挑戦を乗り越えた先には、新しいキャリアの道やとてつもない成長の機会が広がっています。正しい準備と決意を持って、チャレンジをしてください。応援しています。