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社会人のための働きながら合格する司法試験予備試験入門

予備試験・司法試験を知る

日本の法曹界は、多様なキャリアパスを持つ人々によって支えられています。その中でも、司法試験は多くの法律家の夢のスタート地点となる重要な試験です。しかし、この試験に挑戦するためには、ロースクールを経由するか、あるいは予備試験を受験するという2つの道があります。

特に社会人としてのキャリアを積んでから法曹界を目指す人々にとって、予備試験は大きな意義を持ちます。なぜなら、ロースクールは時間的・経済的な制約がある中での学びとなるため、多くの社会人にとっては難しい選択となることが多いからです。一方、予備試験は自分のペースでの学習が可能であり、社会人としての経験を活かした学びができるというメリットがあります。

この記事では、そんな社会人が予備試験に挑戦する背景や意義について深掘りします。また、予備試験とロースクールの違い、予備試験の具体的な内容や社会人としての挑戦の意義、そして合格後のキャリア展望など、予備試験に関する幅広い情報を提供します。この記事を通じて、あなたの司法試験への挑戦がより明確なものとなることを願っています。

司法試験への2つの道 予備試験とロースクール

日本の司法試験へのアプローチには、主に2つの方法が存在します。一つは、専門的な法律教育を受けるロースクールを経由する方法。もう一つは、予備試験を受験して資格を得る方法です。それぞれの方法には、独自の特徴やメリットがあります。

予備試験を合格するか、もしくはロースクールを卒業すれば、司法試験の受験資格が得られます。予備試験に受かった後に、司法試験に合格して初めて弁護士への道が開けます。長い道のりですが、得られるキャリアは大きなものです。

予備試験ルート(社会人におすすめ)

予備試験は、その名の通り司法試験を受験するための「予備」となる試験です。具体的には、司法試験を受験するための資格を得るための試験となります。

難易度が高く難関試験として有名な予備試験ですが、一定の学習をこなし、必要な知識を身につけて臨めば、必ず合格できる試験です。

例年の予備試験スケジュール

試験フロー期日
試験公告12月中旬
願書配布2月中旬~3月中旬
願書受付3月上旬~3月中旬
短答式試験7月中旬(1日間)
短答式合格発表8月上旬頃
論文式試験9月上旬(2日間)
論文式合格発表12月下旬
口述式試験翌年1月下旬(2日間)
最終合格発表2月上旬
予備試験のスケジュール目安表

おおむねこの通りのスケジュール感で毎年開催されています。具体的な日程は、法務省のページ(司法試験予備試験の実施について)に掲載されますので、ご確認ください。

予備試験の合格率

予備試験の最終合格率は、3~4%です。

予備試験の試験科目と試験時間

区分試験科目と時間配点合格基準点
短答式公法系(憲法・行政法):1時間

民事系(民法・商法・民訴):1時間30分

刑事系(刑法・刑訴):1時間

一般教養:1時間30分
270点満点

憲法、行政法、民法、商法、民訴、刑法、刑訴(各30点)

一般教養(60点)
年によって変動(例年160~170点付近)

短答式の合格率は約20%前後
論文式公法系(憲法・行政法):2時間20分

民事系(民法・商法・民訴):3時間30分

刑事系(刑法・刑訴):2時間20分

実務科目(民実・刑実):3時間

選択科目:1時間10分
500点満点

憲法、行政法、民法、商法、民訴、刑法、刑訴、民実、刑実、選択科目(各50点)
年によって変動(例年230~250点付近)

論文式の合格率は受験者全体の3~4%程度
(短答式合格者の中では20%程度が合格)
口述式実務科目(民実・刑実・法曹倫理):約30分(時間は決まっていない)60点前後

成績不良で56点以下をつけられることがある
論文合格者の約95%以上が合格する(よっぽど悪いと落ちる形)

不合格になるのは20人程度

短答式、論文式、口述式試験の全てに通過すると、最終合格となります。一部合格で次年度が優遇される等の措置は一切ありません。短答合格→論文合格→口述不合格になってしまったら、来年は短答式からもう一度受験しなおすことになります。

最終合格者数は500人弱、そのうち100人程度が社会人です。

予備試験ルートのメリット

社会人が予備試験ルートを選ぶメリットはたくさんありますが、大きなものはこの2つです。時間とお金。

時間的制約を受けずに目指せる
ロースクールのような時間的な制約がなく、自分のライフスタイルや仕事の都合に合わせて学習が可能。時間的な制約を受けてしまうと、仕事との天秤で生活が破壊される可能性もあり、リスクが大きい。

経済的な負担を軽減できる
ロースクールの学費と比較して、予備試験の受験料や参考書の購入費用は非常に安価。ローに行くなら、国立ローでも200~300万円かかる。しかもローに行くためにもし仕事を辞めていたら収入も無くなるので、受からなかったときの経済的ダメージが大きくなってしまう

ロースクールルート

ロースクールは、専門的な法律教育を提供する大学の大学院プログラムとして位置づけられています。この教育プログラムを修了することで、司法試験を受験する資格を得ることができます。

ロースクールのカリキュラムや学習内容

  • 基礎的な法律科目(憲法、民法、刑法など)の深い理解を目指す講義やゼミナール
  • 実務的なスキルを磨くための模擬裁判や法律実務研修
  • 法律英語や国際法など、専門的な分野に焦点を当てた授業

ロースクールを選ぶメリット

専門的な法律教育
基礎から応用までの法律知識を体系的に学ぶことができる。

実務経験の獲得
模擬裁判やインターンシップを通じて、実際の法律実務の経験を積むことができる。

卒業生ネットワークの構築
同じ目標を持つ学生や教員との交流を深め、将来的な人脈を築くことができる。

ロースクールは批判にさらされることが多いですが、教育機関としてはかなり高等で良い場所です。実際にインターンシップで法律事務所で働いてみたり、クラスで大手四大事務所にみんなで見学に行ったり、課外活動で高校生に法律の授業をしてみたり、楽しく学べることも多いです。

また、ロースクール卒業生同士の横のつながりは結構強いです。無さそうで意外とあります。

四大に勤めている同級生から民事案件を回してもらったり(四大は大きな企業案件がメインなので小さな民事案件をやっている余裕はまったく無い為)、有名企業の法務部に行った同級生と法務の研修を作ったり書籍を作ったり…といった話は結構よくあります。

予備試験とロースクールの選択

司法試験を目指す際、予備試験とロースクールのどちらの方法を選ぶかは、個人の状況や目標によって異なります。

判断基準や考慮ポイント

いずれにもメリット・デメリットはありますので、考慮するポイントを並べておきます。

◆時間とコスト
ロースクールは学費や所要時間がかかる一方、予備試験は自分のペースでの学習が可能で費用も安く済む

◆学びの深さ
ロースクールは体系的で実務的な教育を受けることができるが、予備試験は独学が中心。とはいえローは実務家とのイベントも多く、得られる体験が案外魅力的だったりする。

ただ、ネットでよく言われている、ローが司法試験対策をしてくれないという話は本当なので、授業の予習と期末試験対策の他に、時間を作って司法試験対策をする必要がありタイムマネジメントが必要。

◆キャリアの展望
ロースクール卒業後のキャリアパスや、予備試験合格後のキャリアの選択肢を考慮する

社会人としての選択

社会人としての経験やスキルをどのように活かしたいか、そして現在のライフスタイルや経済的な状況を考慮して、どちらの方法が自分に合っているかを判断することが大切です。そして、どちらの方法を選ぶにせよ、持続的な学習と努力が必要であることを認識し覚悟を持って臨むことが重要です。

社会人が挑戦する意義

社会人としてのキャリアを積んできた者が、司法試験の予備試験に挑戦することは、一見すると大きな挑戦のように思えるかもしれません。しかし、社会人としての経験やスキルは、実は試験対策に非常に役立つ要素となります。

社会人としての経験やスキルの活用

  • 問題解決能力
    実務経験を通じて培った問題解決のスキルは、法律問題の解釈やアプローチに役立ちます。
  • 時間管理
    社会人としての業務をこなしながらの学習は困難ですが、時間管理のスキルを活かすことで効率的な学習が可能となります。
  • コミュニケーション能力
    グループ学習や模擬裁判など、他者とのコミュニケーションが求められる場面での強みとなります。
  • 業界ドメイン知識
    法律家になる前に働いていた業界の知識は、法律家になってからも必ず役に立ちます。その業界の法律問題に携わる専門の弁護士として活躍できます。

社会人が予備試験に挑戦する際の心構えとしては、まず自分の目標や動機を明確に持つことが大切です。また、長期的な学習スケジュールを立て、日々の学習の進捗を確認しながら、モチベーションを維持する方法を見つけることが重要です。友人や家族、同じ目標を持つ仲間とのコミュニケーションや、過去の合格者の経験談を参考にすることも、モチベーションの維持に役立ちます。

社会人経験を活かした法律家に

積み上げてきた実務経験は法律家になったときに必ず役立ちます。予備試験・司法試験に受かったところで、学生たちより年を食っている自分が採用してもらえるだろうか…と心配になる方は多いと思いますが、属していた業界の法律問題を扱うようなポジションを目指した就職活動をすれば逆に無敵状態です。学生と同じ新卒弁護士就職ルートに乗らずに、半分中途っぽく動きましょう。

合格後のキャリア展望

司法試験の合格は、多くの法律家にとっての夢のスタート地点です。合格後には、多様なキャリアパスが待っています。

司法試験合格者が迎えるキャリアの多様性

司法試験の合格者は、裁判官、検察官、弁護士などの法曹三者の職種をはじめ、企業の法務部門や公務員、NPOやNGOの法律専門家としての道も選べます。また、法律に関連するコンサルタントや研究者としてのキャリアも考えられます。

社会人としての経験を活かしたキャリアパスの例

例えば、ビジネスの背景を持つ社会人が司法試験に合格した場合、企業の法務部門やビジネス法務を専門とする弁護士としてのキャリアが考えられます。また、公務員経験を持つ者は、行政書士や税理士といった公的な職種との連携も視野に入れることができます。

予備試験合格後の具体的な職種や役職

予備試験の合格者は、まず司法試験の受験資格を得ることができます。その後、司法試験に合格することで、上記の法曹三者やその他の法律関連の職種に就くことができます。特に、社会人としての経験を活かし、企業の法務部門や特定の業界に特化した弁護士としてのキャリアを築くことも可能です。

社会人にとっての予備試験挑戦のメリット

司法試験の予備試験に挑戦することは、単に法律の知識を増やすだけでなく、社会人としてのキャリアや人生においても多くのメリットをもたらします。

予備試験合格を通じて得られるスキルや知識のアップデート

予備試験の学習を通じて、最新の法律知識や法的思考法を身につけることができます。これにより、日常の業務やビジネスシーンでの判断力や問題解決能力が向上します。

キャリアアップや転職市場での競争力の向上

予備試験の合格は、多くの企業や組織において高く評価される資格の一つです。これにより、昇進のチャンスや転職市場での競争力が向上し、より多くのキャリアの選択肢が広がります。

人脈の拡大や新しいチャレンジへの扉が開く

予備試験の学習や受験を通じて、同じ目標を持つ人々との交流の機会が増えます。出会う人は目標を掲げて努力するレベルの高い人ばかりです。新しい人脈や情報を得ることができ、未知の分野や新しいチャレンジへの扉が開かれることとなります。