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50歳社会人が新米弁護士になるということ【転職と年収の不安】

社会人受験生の悩み

サラリーマン生活のゴール(定年)が見えてくる50代になって、司法試験にチャレンジされる方々が実はいらっしゃいます。定年後に弁護士として活動できないか、と定年後を見据えての準備です。

受験勉強が大変なのは当然ですが、50代で仮に司法試験に受かったとして、働き先はあるのか。仕事として成立するのか心配で、二の足を踏む方々がいらっしゃいますが、全然可能です。

今までのあなたの積み重ねてきたキャリア・経験を必要とする事務所への転職活動や、構築してきた人脈を活用すれば、働き先はそれなりにあると思います。

50歳で働きながら弁護士になるには

予備試験に合格すること

弁護士になるためには司法試験に合格する必要があります。司法試験には受験資格があり、法科大学院を卒業するか、予備試験に合格するか、いずれかの条件を満たさなければなりません。

法科大学院(ロースクール)は既修コースで2年間、未修コースで3年間通う必要があり、学費も時間もかかります。社会人が働きながら、ロースクールに通って卒業することは不可能なので、仕事を辞める必要があります。

50歳で家庭もあるでしょうし、仕事を辞めるのは全くおすすめできません。「働きながら学習して予備試験に合格し、司法試験に挑戦する」という方針をおすすめします。

定年後にゆっくり司法試験を人生の目標として目指したい

ただし、定年後にゆっくり司法試験を人生の目標として目指したい等の思いがあり、時間にもお金にも余裕がある方であれば、定年後にロースクールに入って最後の学生生活をしながら勉強して、司法試験にチャレンジする…という方針の方が満足度の高い生き方になるかもしれません。

こうなってくると、キャリアというよりは、自己実現の領域になるかと思います。後悔のないチャレンジが出来る方法を探すべきです。

定年後にローに入るとしても、できれば今の内から予備試験の勉強をしていくことがおすすめです。現役の学生も、まずは予備試験の受験勉強をしっかりとして、それでも受からなかったらローへ行くという流れが出来上がっています。

ロー経由だと決めていたとしても、最も難易度の高い予備試験の学習をしていたことが、結果的に上位難関ローへの合格や最終的な司法試験の合格率を高めてくれることにつながります。合間を見て、楽しみながらのんびりでも良いので、今から学習を始めておく方がよいでしょう。

50代の予備試験・司法試験受験者の実態

予備試験受験者数のデータ

下記は、法務省が公表している予備試験の受験者数のデータです。

確かに現役学生世代よりは少ないですが、それでも50代の受験者は全体の15%程度を占めていて、案外多いことがお分かりいただけるかと思います。

年齢別H30R1R2R3R4
19歳以下76107100151125
20~24歳36313791357339524320
25~29歳12971372120012741422
30~34歳1014107996210631177
35~39歳988103690810571131
40~44歳98010068999411037
45~49歳959992810898991
50~54歳761817769844946
55~59歳615692616638766
60~64歳382434388440540
65~69歳270281211256288
70~74歳110120129150188
75~79歳3631303150
80歳以上1722132223
合計1113611780106081171713004
予備試験受験者数の推移(平成30年度~令和4年度の法務省公表データより作成)

※データの作成元
法務省 平成30年司法試験予備試験
法務省 令和元年司法試験予備試験
法務省 令和2年司法試験予備試験
法務省 令和3年司法試験予備試験
法務省 令和4年司法試験予備試験

データについて詳しくはこちらにまとめています。

実際に50代で弁護士になった方々

54歳から弁護士になった方のインタビュー記事です。かつて学生時代に1年だけ司法試験にチャレンジしたものの、現実を冷静に見て辞められたそうです。

その後銀行に就職し、華々しい経歴を身につけて50代、過去の弁護士になりたいという夢を思い出し、再挑戦をされました。

元公務員で予備試験経由で司法試験に合格された方が、50代・60代の合格後の就職について質問に答えている記事です。

50代で予備試験・司法試験に合格するには

働きながら予備試験に合格するには、無駄を省いて効率的に学習していく必要があります。書店に行けば、予備試験・司法試験の対策本や学者先生の執筆された基本書が山ほど販売されています。

しかし、どのテキストをどのくらいの深度で理解していくべきかの判断は非常に難しいです。法学に取り組む…のではなく、あくまで予備試験と司法試験に最終合格することが目的のはずです。受からなければ意味がありません。

自己判断で学習してしまうと、方向性を間違えたまま努力を重ねてしまい、大量に時間と労力を消費したのにも関わらず、結局合格できないということが往々にしてあります。

時間は人生そのものです。ただでさえ忙しいのですから、合格まで無駄のない学習を進めましょう。司法試験受験に最適化された講座・テキストを揃えている予備校に行くのが手っ取り早いです。

たくさん勉強して頑張りさえすれば合格できる、というのはうぬぼれです。大量に勉強したところで、努力の方向性が間違っていたら合格まで絶対に辿り着けません。

時間を無駄にせず、賢い選択をしましょう。予備校については別の記事でまとめています。