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「やめとけ」「発狂」…司法試験界隈の闇と光

予備試験・司法試験を知る

超難関試験である司法試験、挑戦していると「頑張ってるんですね」「すごいですね」と言われることが多いですが、高いハードルとそれに伴う精神的・経済的な負担が大きいことから、「司法試験なんてやめとけ」「無謀」と言われてしまうことも多い試験です。

司法試験の負の側面ですが、これから挑戦する方は目を通しておいた方がよいかと思います。こういうリスクがあるんだと認識した上で、自分が取れる範囲のリスクを明確にしてから、冷静に受験にチャレンジして欲しいと思います。

「やめとけ」と言われる理由

司法試験に挑戦することを考えると、多くの人々から「やめとけ」という声を耳にすることが少なくありません。このような忠告が飛び交う背景には、いくつかの大きな理由が存在します。

試験の高い難易度と合格率の低さ

司法試験は、その内容の幅広さと深さから、非常に高い難易度を持つとされています。多岐にわたる法律知識を要求されるだけでなく、その知識を実際のケースに適用する能力も試されるため、簡単に合格することはできません。この結果、合格率は非常に低く、多くの受験生が挑戦する中で、わずかな人数しか合格の喜びを味わうことができません。

社会人としての時間的・精神的制約

社会人としての生活を持つ受験生は、学生時代とは異なり、仕事や家庭などの責任を持つ中での勉強という大きな制約に直面します。限られた時間の中での効率的な学習はもちろん、日々のストレスや疲れとの戦いも求められるため、精神的な負担が増大します。

失敗するとのリスクとその影響

司法試験に挑戦することは、高いリスクを伴います。特に社会人としてのキャリアを一時的に停止させての受験の場合、合格できなかった際のキャリアのデメリットや経済的な損失は計り知れません。また、長期間の勉強とその結果としての失敗は、受験生の自信や自尊心にも大きな打撃を与える可能性があります。

これらの理由から、「やめとけ」という声が上がるのは当然とも言えるでしょう。しかし、正しい戦略と準備を持てば、これらの障壁を乗り越えることも決して不可能ではありません。

思わず「発狂」してしまう辛い体験談

司法試験の挑戦は、多くの受験生にとって極めて厳しいものとなっています。その中で「発狂」するほどの辛い体験をした受験生も少なくありません。以下は、そのような体験談の中から特に共通して挙げられる点をまとめたものです。

長時間の勉強と生活の犠牲

司法試験のための勉強は、多くの時間を要求されるものです。多くの受験生は、日常の生活や趣味、さらには家族や友人との時間までを犠牲にして、試験対策に没頭します。このような生活が続く中で、孤独感や疲労が積み重なり、精神的なバランスを崩すことが少なくありません。

試験のプレッシャーによる精神的なダメージ

試験日が近づくにつれ、そのプレッシャーは増していきます。特に、多くの時間と努力を注いできた受験生にとっては、その一日が人生の分岐点とも言える重要な日となります。このような重圧の中で、不安や恐怖、自己疑念が頭をよぎり、精神的なダメージを受けることが多いです。

一度の失敗が連鎖的な影響を及ぼすケース

司法試験は、一度の失敗がその後の人生に大きな影響を及ぼすことがあります。例えば、一度の不合格が自信喪失やモチベーションの低下を引き起こし、次回の受験にも影響を及ぼすことがあります。また、家族や周囲の期待に応えられなかったという感情が、自己評価の低下や人間関係の悪化を引き起こすことも。

司法試験崩れの末路

予備試験・司法試験はその高い難易度ゆえ、多くの人が不合格となるのが現実です。学生の間に受験をして不合格で諦め、そのまま就活に切り替えて新卒レールに乗れた方は問題ありません。

しかし、諦めきれずに司法浪人の形を取り、それで受かれば良いのですが、結局年齢を重ねても合格せずに、高齢になってからやむを得ずに諦める…。このような「司法試験崩れ」と呼ばれる人々の現状や、その後の人生にはどのような影響があるのでしょうか。

試験に挑戦したが合格できなかった人々の現状

多くの「司法試験崩れ」は、試験に合格することができなかった後も、法律関連の仕事に携わることを選ぶことが多いです。司法書士や行政書士、法律事務所の事務員など、多岐にわたるキャリアパスが存在します。しかし、弁護士としての夢を捨てきれず、再受験を選ぶ人も少なくありません。

その後のキャリアや人生における影響

司法試験に合格できなかったことは、キャリアや人生においても大きな影響を及ぼすことがあります。特に、多くの時間と努力を試験のために捧げた後の不合格は、自己評価の低下やモチベーションの喪失を引き起こすことがあります。しかし、その経験を活かして新しいキャリアを築くことも可能であり、多くの人々が新しい道を見つけて成功を収めています。

社会的な見方や偏見

「司法試験崩れ」という言葉には、社会的な偏見やスティグマが伴うことが少なくありません。多くの人々は、この言葉を使って、試験に合格できなかった人々を見下すことがあります。

しかし、司法試験の難易度を考慮すれば、そのような偏見は不当であると言えるでしょう。試験に合格できなかったからといって、その人の能力や価値が低いわけではありません。

【家族の悲鳴】周りの人を不幸にしてしまう場合がある

こちらは学生時代から受験勉強を続けてしまい、司法試験に受からないまま中年まで年齢を重ねてしまったパターンだと思われます。親御さんが心配しています。

司法試験をうけて43歳になった息子がいます。26歳から受けていますがいまだ不合格です。今更、就職もなりません。4万人受けて1200人程の合格者です。何万人と言う不合格者は将来どうゆう人生設計をするの?

YAHOO!JAPANしごとカタログ aawさんのご質問(2007/08/16)

上記のコメントでは親御さんですが、当サイトの読者様は社会人の方が多いので、会社を辞めてしまって挑戦し失敗した場合には、配偶者である奥様もしくは旦那様、お子さまに心配をかけてしまうことになります。

予備試験挑戦を考えている社会人の方、絶対に仕事は辞めないでください。

【本人が精神崩壊】心を壊してしまう人もいる

以下は、司法試験に全力で挑戦したけど願い叶わず撤退した方の体験談です。体験談を残してくれる方の方が圧倒的に少ないので、これは氷山の一角です。予備試験・司法試験には、もっともっとたくさんの敗者がいます。

どうしても弁護士になって、貧困層を抜け出したかった。

2連続で不合格になり、心が折れて借金が残った。

僕はどうしても弁護士になりたくて大学の就活を蹴って法科大学院に進みました。
貧困層の家に生まれた僕にとって、一か八かの大博打でした。 それでも弁護士になる夢を諦めきれなかったのです。
家が非常に貧しかったので、大学も(この時期はバイトもしてました)法科大学院も奨学金と教育ローンでロースクールに通学し、ひたすら勉強し成績は常に上位を保つようにして来ました。

しかし、一昨年の司法試験では不合格。
諦めきれずに、バイトをしながら勉強をし、去年もう1度司法試験を受けましたが不合格でした。

僕の夢はあっけなく終わり、残ったのは莫大な借金だけです。
弁護士になることしか考えていなかった僕にとって、やりたいことが何なのかわかりません。
明るく生き生きと企業で働くイメージもわきません。 情けないのですが何をやりたいのかわからないのです。

YAHOO!JAPAN知恵袋 ID非公開さんのご質問(2012/4/14)

自分だけ受からなかった。真面目に学部生の時から勉強してきたのに…遊んでいた友人らは受かっていった。自分には何も残らず、親に申し訳ない。

昨年、人生を賭けた司法試験に落ち、完全に生きる気力を失いました。一生懸命頑張ったのに何で、どうしてこんな事になっちゃったんだろう…うつになり精神科にも罹りました。

特にダメージが大きかったのは友人の大半が合格してしまった事です。彼らは学生時代、彼女もいて、しっかり遊んで青春を謳歌してしかも合格。それに比べて僕は、彼女もおらず、大学入学初期から勉強初めて不合格。よく言いますよね、『遊ぶ時に遊べない人間は勉強する時に勉強できない』って…きっと僕は人間としてもあまりも欠けていたんだと思います。片思いしていた女の子も合格、まさに勉強と恋愛のダブルパンチ…。

孤独になり、挫折感・絶望感・虚無感にさいなまれる毎日…朝方、体が鉛のように重くて動かない…ロースクール導入に伴なう司法制度改革もあり、もう、これ以上勉強は続けられない。悔しいけど、本当に涙が流れるけど、もう全てを…僕の人生を諦めるしかないのかな…

でも今の自分には人生の希望が何も見えない。もう20台半ば、大学も卒業してしまって就職もままならないだろうし、生涯バイト・派遣で生きるしかないのか…きっと一生結婚も出来ない…ずっと独り…そこそこの大学まで出してもらったのに親に申し訳ない…夢もない…事実上人生の終わり…

司法試験に合格できなかった皆様、今幸せな人生送ってますか?(教えて!goo cb2532さんのご質問 2006/05/28)

三振してハローワークへ。「既卒・高年齢・職歴無し」でまともな仕事がない現実に直面し、うつになった。

新司法試験「三振」のときは本当に辛かったです。人生で最も勉強しましたし、自分なりにも手応えはありました。

三振のときはリーマンショック(2008年)の影響が残る不景気でしたので、ハローワークに通っても「既卒・高年齢・職歴なし」では、まともな仕事がありませんでした。人生に絶望したのを今でもはっきりと覚えています。

このときにはうつ症状を発症していました。今考えても一歩間違えれば、危うい精神状態だったと思います。

五振のときは、感情が無の状態というか、やっとこれで試験から足を洗える大義名分を得たような感じがして、絶望の中にも少しだけ安心した気持ちになりました。

司法試験に落ち続けて二十年、八神さん「思いが叶わなかった人がいること、忘れないで」2020年08月11日

大学時代に戻って司法試験を受けずに、新卒で就職したい。司法試験に挑むかどうか、考え直してほしい。

私の人生は後悔だらけです。戻れるのならば大学生時代に戻って、司法試験を受けず、新卒カードを使って会社員になりたいです。そして家庭を持ち、「住宅ローンが大変だ〜」とか同僚に冗談交じりに言えるような生活がしたかった。

高望みせずに普通の生活がしたかったです。しかし、私が選んだ人生なので仕方がないことです。ですので、ブログでも、出版予定の電子書籍でも、私は「司法試験に挑むかどうか考えること」に一番時間をかけてほしいことを訴えています。

私のような末路を見て、仮に同じようになったとしても耐えられる自信がある人にだけ司法試験にチャレンジしてほしいと思っています。大切な人生の時間です。二度と戻って来ませんから。

司法試験に落ち続けて二十年、八神さん「思いが叶わなかった人がいること、忘れないで」2020年08月11日

これが現実です。遊んでいたり、サボっていたりしたから受からなかったわけではありません。彼らは、本当に全力を尽くしてやれることをやり切った上で不合格となっています。だから厳しいのです。

サボったせいで不合格になったら、まだ希望が残ります。来年はサボらなければ受かるかもしれないと思えるからです。

しかし、全力でやり切って不合格だった場合、もはや自分がこの脳みそである限り受からないという絶望に苛まれます。なぜならもうできることが無いからです。諦めるしか道はなくなります。

これで職歴無しだと本当の絶望感に襲われます。何もない自分がこれからどうやって生きていけばよいのか全く分からないからです(実際は、既卒・職歴無しでも30歳前後までであれば、企業の法務部に就職できます。前を向き、変なエージェントに引っかからないようにしながら、きちんと司法浪人の人材活用に取り組んでいる人材系企業で転職活動の支援をしてもらってください。)

ただ、読者の皆様は社会人で既にキャリアを積んでおられる方ばかりかと思います。司法試験について、近年は色々と悪く言われはしますが、そうはいっても興味がある場合は、挑戦しないと後悔するかもしれません。

私は社会人が若者と同じようにもう一度心に火を灯して、夢を持ち、合格を目指すことを応援しています。ですが、1つだけお願いがありまして、絶対に仕事は辞めないでください。司法試験は闇の深い試験です。退路を断たずに戻れる場所を確保した上で、戦い始めてください。背水の陣など、絶対に敷かないでください。

闇に足を踏み入れないための戦い方

予備試験・司法試験は困難だらけです。足を踏み外さないための方法をポイントでまとめました。

予備校の活用

予備校は、司法試験の対策に特化した教育機関として、多くの受験生にとって欠かせないです。個人的には、予備試験を受けるのに予備校を活用しない人はあり得ないです。勉強の方向性がこれだけ重要だと言っていて、方向性を合わせられなかった人の末路もたくさん掲載しているのに、それでも独学でやろうと思うのは試験を甘く見ていると言わざるを得ないです。

正確な情報と効果的な学習方法の提供

予備校は、最新の試験情報や効果的な学習方法を提供してくれます。これにより、自己判断での学習のみでは得られない知識や考え方を身につけることができます。

そして、やるべきことを提示してくれるるので、ラクです。勉強自体はもちろん全然ラクじゃないですが、何を勉強すればいいかを決めてもらえるということはありがたいことで、精神的な負担が減り、やるべきことに集中できるようになります。

予備校の選び方とその重要性

予備校選びは、受験生にとって非常に重要なステップとなります。講師の質やカリキュラム、サポート体制など、自分のニーズに合った予備校を選ぶことで、効果的な学習が可能となります。

リスキーな方法を避ける

安易な決断やリスクの高い方法は、長期的な成功の妨げとなります。既にキャリアや家族を持っている社会人だからこそ、リスクの高い挑戦の仕方は避けましょう。

仕事を辞めずに勉強すること
社会人としての収入やキャリアを維持しながら、失敗しても人生ダメージが少ないようにリスクヘッジをして挑戦してください。大人の戦い方をしましょう。

期限を決めて達成目標を立てる&撤退の判断基準を明確に
無限に時間をかけるのではなく、合理的な期限を設定し、その期間内での達成目標や撤退の基準を明確にすることで、無駄な時間や労力を避けることができます。

キャリアを維持しつつの挑戦であれば、失敗しても職歴へのダメージはなくなります。

ですが、時間的資源も人生にとって大切なリソースの一つです。膨大な勉強時間を、もし別のことに費やしていれば、別の方向で人生は良くなっていたかもしれません。その時間で家族と素敵な思い出をもっと作れたかもしれません。

ダラダラと挑戦し続けてしまっては、その分の時間的資源がどんどん失われていってしまいます。そのため、挑戦する場合は期限と撤退の判断を、始めに決めておいてください。

リスクを知った上で回避しつつチャレンジをする

この記事では、予備試験・司法試験のリアルな現実をお伝えしつつ、社会人としての戦い方を述べてきました。法曹界はオワコンだとか衰退しているとか色々と言われます。

お金を稼ぎたい気持ちだけでは、全く割が合わない仕事です。しかし、人の役に立つために奔走する法律家は、いまだ魅力的であり、人生を通して取り組むに値する職業だと思っています。

社会人の予備試験・司法試験受験は厳しい戦いになるかと思いますが、ぜひリスクヘッジは必ずした上で、全力で没頭してみてください。応援しています。