社会人として働きながら予備試験に挑む場合、仕事や家庭とのバランスを取りつつ、高い集中力と持続力をもって高度な学習をを淡々と学習し続ける必要があります。
このような状況下での挑戦は、精神的・時間的な負担が大きく、それを支える家族やパートナーの理解とサポートが不可欠となってきます。
上司など会社関連の方々への説明は、実際に司法試験の本試験日を休まなければいけない等、本当に説明が必要になったタイミングでも大丈夫な方も多いですが、ご家族へは受験勉強を開始する段階である程度説明し、納得しておいてもらう必要がある方がほとんどなのではないでしょうか。
家庭での役割の一部もしくは全部を、他のご家族にお願いして勉強時間を捻出するようになってくると思われるからです。
学習の初期は、まあ今までダラダラとYoutubeやTwitterを見ていた時間を勉強に当てるようにするなど緩く始める流れだったとしても、徐々に極まってくるとそんなレベルでは済まないのが現実です。
試験当日が近づいてくれば、なりふり構わず、目が血走りながら勉強をすることになるかと思います。そうなってくると、ご家族の理解を得て協力してもらうことが必要になってきます。
家族への説明が必要だとしても、いつ、どのように説明するか悩みますよね。
社会人×予備試験受験のハードさ
社会人としての司法試験の挑戦は、ただ学習するだけではありません。仕事や家庭とのバランスを保ちながら、効率的に学習を進める必要があります。
これは、時間的な制約だけでなく、精神的な負担も伴います。
例えば、仕事の疲れを感じながらも、毎日一定の時間を確保して学習を続けることや、家族との時間を犠牲にして勉強することなど、多くの難しさが伴います。
家族への説明の重要性
予備試験の挑戦は、個人の努力だけで乗り越えることができるようなものではありません。
特に社会人としての挑戦者にとって、家族の理解とサポートは非常に大きな役割を果たします。ご家族への説明は、必ずどこかのタイミングで行うことになります。
家族のサポートの役割とその影響
家族のサポートは、学習のモチベーションを維持する上での大きな助けとなります。家族が理解し、挑戦を応援してくれることで、学習の進行や試験への取り組みがスムーズに進むことが多いです。
逆に、家族の理解が得られない場合や、サポートが不足していると感じる場合、学習のモチベーションが低下するリスクが高まります。
家族との関係やコミュニケーションの質が学習効率や精神的健康に及ぼす影響
家族との良好な関係やコミュニケーションは、学習効率や精神的健康にも大きな影響を及ぼします。例えば、家族とのコミュニケーションがスムーズであれば、学習の進捗や悩みなどを共有し、励ましてもらうこともあるでしょう。これにより、精神的なストレスを軽減することも可能です。
逆に、家族とのコミュニケーションが不足していると、学習の進捗や悩みを一人で抱え込むことになり、精神的な負担が増大するリスクがあります。隠し事をしているかのような後ろめたさを感じてしまうかもしれません。
家族への説明タイミングを見極めるポイント
いつ、どのようなタイミングで説明や情報共有を行うべきかは、しばしば悩むポイントとなります。以下に、各説明タイミングのメリット・デメリットを記載しました。
予備試験への挑戦を決意した段階での説明
早いタイミングで家族の協力が得られる
黙って進める後ろめたさを感じなくて済み、勉強に集中できる
まだ何も実績が無いため、馬鹿にされたり、適当にあしらわれる可能性
もし自分がロクに勉強を継続できず、すぐに諦めてしまった場合に顔が立たなくなる
受験するという強い思いがあって、いったんは諦めずにしばらく続けることが自分の中で確定している場合は、早めに伝えてしまった方がラクかなと思っています。
勉強の進捗が出てきた時や試験日程が確定した段階での説明
ある程度、勉強に進捗が出ている段階なので、すぐに諦めてしまうかも…というレベルは脱している状態。「家族に説明したがすぐ諦めた」という情けない事態にはならない
実際に受験勉強の時間やこなした量が可視化でき、試験日程が確定しているとなれば、嫁(夫)がブロックを出しにくい状況であり、説明がしやすい場合
受験票が自宅に届く前に伝えておくことで、先にご家族がポストに届いた受験票を見てしまって気づかれる事態を回避できる
普段から配偶者とコミュニケーションが上手くいっていない場合、説明タイミングより先に、隠れて何をやっているのか?と問い詰められる事態が発生する可能性(仕事後にこっそりどこかのカフェで勉強してから帰っていたことで、浮気と疑われる等の恐れ)
その場合、喧嘩のやり取りの最中に司法試験に挑戦していることを白状する羽目になったりと、意図していない超最悪のタイミングでの説明になる恐れ
想定しないタイミングで説明をしないといけなくなる事態に突入してしまうことは避けたいですね。
予備試験合格後、結果が出た段階での説明
予備試験合格を確認して、司法試験の準備に入っている段階です。司法試験は平日から土日にかけての4日間の試験となります。
さすがに既婚者がこれだけの日数、家を空ける場合は説明せざるを得ないと思いますので、少なくともこの段階では説明を済ませておくべきです。
圧倒的結果があるので、おそらく誰も何も言わないし、その後は普通に応援しかされない(予備試験に受かってるのに応援しない方がいたら、それはちょっとさすがにおかしいです。ただし、今まで家事や育児を多少蔑ろにしてきた自覚がある場合は、パートナーの犠牲の上であなたは合格を掴んでいることになるので、そこへの配慮を持った伝え方にしてください。)
遠い先の未来かもしれない、いつこのタイミングが来るかわからない。それまでずっと黙って隠して勉強し続けることができるのか不明。
結局、家族に説明するのはいつがいいの?に対する当サイトの答え
全科目、導入編レベルの市販書籍(※予備校が出版している初心者向けの200~300ページくらいのテキスト。例えば有斐閣アルマ等よりも、簡単なレベルの本を想定しています。)を買ってきて、とりあえず3週間くらいで全冊読み終えてみてください。
もし軽い気持ちであったのならば、この段階でたぶん挫折しますので、司法試験受験の決意は気の迷いだったということで、そのままご家族には何も伝えないまま、買った初心者本はメルカリで売ってしまい、無かったことにしましょう。
特に挫折せず、おもしろく本が読み終えられた方は、さらに過去問をパラパラ見てみて頑張ろうと希望を持てるようであれば、いざ予備校に課金…となる直前あたりでの家族への説明が、普段コミュニケーションが取れているタイプのご家庭だったらちょうど良いのではないかと考えます
(※色んなご家庭があり、人それぞれだと思うので、適宜見計らってください)
家族への説明方法とコツ
誠実かつ具体的な説明の重要性
家族に対して、予備試験への挑戦の意義や必要性を誠実かつ具体的に伝えることが大切です。抽象的な説明ではなく、具体的な学習計画や目標、それに伴う生活の変化などを明確に伝えることで、家族もあなたの挑戦を理解しやすくなります。
合格した後のキャリアビジョン(想定年収)を伝えることも、家族の理解を得る力になります。
また、試験当日や直前はてんやわんやになることを合わせて伝えておくと、改めて試験直前に調整をする精神的な労力が減ります。
予備試験は土日で済みますが、司法試験は平日にも試験があります。司法試験の受験では、会社を休むことも一緒に伝えておきましょう。
家族の疑問や懸念に対する対応方法
家族からの疑問や懸念には、耳を傾け、冷静かつ具体的に答えることが重要です。
家族の不安を和らげるための情報提供や、あなた自身の考えをしっかりと伝えることで、家族の理解を深めることができます。
さすがに社会人にもなってこんな方はいらっしゃらないかもしれませんが、「俺は超難関の司法試験を受けるんだぞ」と高圧的に説明するのはやめたほうがよいでしょう…受験しているだけでは何も偉くありませんので…。
家族とのコミュニケーションを円滑にするためのヒント
家族とのコミュニケーションを円滑にするためには、定期的な情報共有や、家族の意見や感情を尊重する姿勢が大切です。
また、家族との共通の時間を大切にし、学習以外の時間も質の良いコミュニケーションを心がけることで、家族のサポートを得やすくなります。
家庭のある社会人にとって予備試験受験は個人の戦いではない
予備試験への挑戦は、確かに個人の決断と努力によるものですが、その背景には家族との関係性が深く影響しています。
挑戦者自身の精神的な安定や学習の効率を高めるためにも、家族との良好な関係を維持することは非常に重要です。
適切なタイミングでの説明や、家族の疑問や懸念に対する適切な対応は、家族の理解とサポートを得るための鍵となります。
家族とのコミュニケーションを大切にし、挑戦の意義や必要性をしっかりと伝えることで、予備試験への道を、ご家族一緒のチームで共に歩んでください。
試験が原因で、家庭を壊してしまうことのないよう、ご家族は大切にしてください。