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30歳社会人が弁護士を目指すということ

社会人受験生の悩み

30歳は、多くの人にとって大きな節目となる年齢です。この時期には、多くの人が自身のキャリアや人生の方向性を見つめ直すことが多いです。

社会的には、若手から中堅への移行が始まる時期とも言え、経験と若さのバランスが求められる時期でもあります。この年齢で新しい挑戦をすることは、自身の人生をより豊かにするための大きなステップとなるでしょう。

キャリアチェンジや専門性の追求、更なるキャリアの拡大を目指して、30歳という年齢で社会人として働きながら弁護士を目指す人もいらっしゃいます。

30歳での弁護士挑戦の現状

予備試験の受験者の年齢層は幅広いです。受験しているのは、勉強にたっぷり時間を使える学生がほとんどかと思いきや、そういうわけでもありません。

下記は、公表されている法務省の予備試験データです。30代受験生は、受験生全体の約20%も占めています。

年齢別H30R1R2R3R4
19歳以下76107100151125
20~24歳36313791357339524320
25~29歳12971372120012741422
30~34歳1014107996210631177
35~39歳988103690810571131
40~44歳98010068999411037
45~49歳959992810898991
50~54歳761817769844946
55~59歳615692616638766
60~64歳382434388440540
65~69歳270281211256288
70~74歳110120129150188
75~79歳3631303150
80歳以上1722132223
合計1113611780106081171713004
予備試験受験者数の推移(平成30年度~令和4年度の法務省公表データより作成)

※引用元
法務省 平成30年司法試験予備試験
法務省 令和元年司法試験予備試験
法務省 令和2年司法試験予備試験
法務省 令和3年司法試験予備試験
法務省 令和4年司法試験予備試験

30歳にもなれば、れっきとした大人で社会人です。社会人にもなってまた受験勉強なんて、司法試験なんて、夢見るのは恥ずかしい。そういった世論があるのは事実ではあります。が、その世論を作っているのは挑戦を辞めた大人たちです。挑戦を辞めた人間は、夢を見て挑戦を続ける人の足を引っ張るものです。そんな方々の言う通りにならなくてよいです。

実際、公表されたデータを見てみると、これだけ多くの社会人が予備試験に挑戦しています。大人なのに若者みたいに夢見て恥ずかしいとか言わずに、年齢を理由にせずに、欲しいものにちゃんと手を伸ばして頑張っている大人がたくさんいます。

30歳での予備試験挑戦のメリット・デメリット

現実問題、30歳での挑戦となるとデメリットも多々あります。

社会人経験の活用
これまでのキャリアを通じて得た経験や管理能力を、試験に役立てられる

成熟した判断力
社会を何も知らなかった学生時代から社会に出て経験を重ねたことで、冷静な判断や計画的な学習が可能になる人もいる

30歳となると、社会で揉まれて少しは世の中のことが見えているかと思います。のぼせ上っていた20歳そこらの学生時代よりも、自己認識や自分の適性、得意不得意が解像度高く見えるようになったのではないでしょうか。

自分がどうやれば成果が出せる、どうやったらあんまり上手くいかない、と分かっていれば、身の丈に合った学習計画が立てられます。学生時代の自分よりも、冷静に受験を進められるようになっているかもしれません。

時間的制約
仕事や家庭の責任が増える中で、学習時間を確保するのが難しい。両立に悩み続ける受験生活になるのがほぼ確定している

体力的問題
20代と比べて圧倒的に体力が落ちる。時間が取れなかった時に、徹夜で勉強して遅れを取り戻す…といった無茶は効かなくなる

仕事、家庭、責任が各所で増えていくのが30代です。時間的な制約は確実に発生します。全方面を両立しながら、受験勉強をこなさなければなりません。

また、体力が確実に落ちます。筋トレを欠かさない人と、運動せずオフィスワークばっかりしてきた人とで老化の速度やタイミングは異なるかと思いますが、20代の頃より体が弱ってきたことを実感してしまう人がほとんどです。無茶が効かなくなってきます。

社会人の学習法 ~少ない時間をパフォーマンスにつなげる努力~

30代の受験生は、多忙な日常生活の中で学習時間の確保をすることが必要です。少ない時間の中でパフォーマンスを上げて、効率的に学習することが求められます。

タイムブロッキング

1日の中で学習時間を固定し、その時間だけは集中して学習する方法です。仕事や家庭のスケジュールとの調整が必要ですが、継続的な学習が可能となります。

ポモドーロ法

集中時間と休憩時間を交互に取る方法です。例えば、集中25分+休憩5分のサイクルを10回行う等です。ポモドーロを上手くまわすためのアプリも出ているので活用してください。

デジタルツールの活用

スマートフォンやタブレットを活用した学習アプリや、オンラインの講座・模試サービスなどを利用することで、移動時間や空き時間を有効に活用することができます。

さまざまな学習方法を試して、自分に合った方法で予備試験受験を乗り越えましょう。

32歳<br>会社員
32歳
会社員

20代の頃は、ビジネスの現場での経験を積むことを優先していました。しかし、30歳を迎え、自分のキャリアに新しい方向性を持たせたいと感じ、予備試験への挑戦を決意しました。

 

学習法としては、仕事の経験を活かし、実務的な視点からのアプローチを心がけました。困難な時期もありましたが、家族や友人のサポートが大きな助けとなっています。

35歳<br>公務員
35歳
公務員

公務員としての仕事には満足していましたが、より多くの人々のために何かをしたいという思いから、弁護士を目指すことを決意しました。学習法としては、タイムブロッキングを活用し、毎日の学習時間を必ず確保していました。

 

また、オンラインの模試サービスを利用して、試験対策を行いました。困難な時期もありましたが、その都度、自分の目的や動機を再確認することで、モチベーションを保つことができています。

30歳という年齢は、多くの人にとってキャリアの中盤に位置する大切な時期です。この時期に予備試験の挑戦を選ぶことは、新しいキャリアの道を開くだけでなく、これまでの経験や知識をさらに深化させる絶好の機会となります。

ただし、デメリットもたくさんあります。そして予備試験経由は難易度が高く、全員が受かるわけではありません。最終的に受からなかった場合に、大量の時間を費やして結果が残せなかったという悲しい結末になる可能性があることも理解しておきましょう。

何とか捻出できた勉強時間を無駄に消費してしまってはもったいないです。効率的に、合格に必要なことだけを工夫して、学習することをおすすめします。

現実とバランスを取りながら、年齢にとらわれすぎずに、自分の目標や夢を追い求めて欲しいなと思います。人生は短いので、後悔しない選択ができると良いですね。