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社会人のための学歴ロンダリング|新たな挑戦としての司法試験と法科大学院上位校

自分と向き合う

学歴は多くの場面でその人の能力や知識、さらには人間性を示す指標として扱われることが多いです。入社試験や昇進、さらには結婚相手の選び方に至るまで、学歴の影響は計り知れないものがあります。

社会人がさすがに大学再受験をして再入学することは稀です(医学部再受験は除く)が、大学院に入るパターンはそれほど珍しくありません。この時、世間では、卒業した大学よりも格上の大学院に入学することを「学歴ロンダリング」と揶揄して呼んだりすることがあります。

正直なところ、大学院に入ると決めたら、せっかく入学するのですから手が届く範囲内で一番上の学校を目指すことは当然だと思っており、卒業大学よりも格上の大学院に入ることを「学歴ロンダ」と言っておちょくる風潮は、編集者としては理解しがたいと考えております。嫉妬や羨望の気持ちから、そうやって野次っているのだろうと思われても仕方ありません。

東大の文系大学院は入るのが簡単…聞いたことがあるかもしれませんが、そんなことはありません。倍率はおおむね3倍程度あり、東大の学部生も容赦なく落ちます。むしろ、外部の大学出身である場合、東大内部生を蹴落として合格を勝ち取らなければならず、ハイレベルな戦いが繰り広げられているため、真面目に入試対策を取らないと受かりません。もっと言うと、例年の倍率は目安でもあり、教授/研究室が求めるレベルに達している受験生がいなければ、合格者が出ないこともあるという容赦の無い試験でもあります。

学歴コンプレックスを持ったまま就職し、社会人として活動する中でその気持ちが消えなかった方は、何か新しい挑戦を自分なりにしていかないと、そのコンプレックスは克服できません。司法試験を目指せば、キャリアアップと合わせて、同時に学歴コンプレックスも克服できるかもしれません。

司法試験には予備試験経由と法科大学院経由の2つのルートがあります。東大ロー、一橋ロー、京大ロー、慶應ローなど名前の知れた有名ロースクールを目指して、卒業後に司法試験に合格し、弁護士になることができれば、相当のキャリアが手に入りますし、社会的評価は非常に高くなります。

編集者
編集者

ただし、当サイトでは社会人が挑戦するにあたっては、予備試験経由で仕事を辞めずに司法試験最終合格を目指すスタンスを、基本的に支持しています。

東大・一橋・京大・慶應ローあたりの有名校であれば、離職している高齢の方でも試験に受かってさえしまえば、事務所就職はできるかと思います。

 

しかし、もし司法試験に最終合格できずにドロップアウトした場合、社会復帰は茨の道になります。ロー経由ルートは、社会人受験生に対しては積極的に薦めることはできませんので、リスクを把握した上で検討をしてください。

編集者
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皮肉な話ですが、ロー入学時点で予備試験に受かるくらいの実力がある人なら、卒業後に司法試験もほぼ確実に受かるだろうと思われますので、入学しても大丈夫だろうと考えます。

…が、お分かりの通り、意味ないですよね。何とも言えない謎の制度設計がされているのが、現状の司法試験です。

司法試験の魅力

司法試験は、社会的に非常に高い評価を受けています。その難易度から、合格者は高度な法律知識を持つ専門家として、多くの場面でその能力を活かすことが期待されます。また、司法試験は単なる知識の試験ではなく、論理的能力や判断力、倫理観なども問われるため、合格すること自体が大きな社会的価値を持っています。

司法試験に向けての学習は、法律の専門家としての基盤を築くだけでなく、日常生活やビジネスの場面での問題解決能力も高めるものとなります。さらに、長期間にわたる勉強や試験対策は、計画性や持続力、集中力を養う絶好の機会となります。

法科大学院上位校の価値

法科大学院は、司法試験を目指す学生たちが集まる場所として、日本の法律教育の中心的な役割を果たしています。中でも上位校は、その教育内容や環境、そして合格実績などで特に高い評価を受けています。また、上位校には全国から優秀な学生が集まるため、競争心を持って学ぶ環境が整っています。

同級生がみんな本当に優秀

ロースクールは揶揄されることが多々ありますが、それは実際に通ったことのない人の意見だと思って無視してよいです。少なくとも、上位のロースクールに通う学生はかなり優秀です。学習の環境も整っています。

ロー卒業後もつながりが残る

横や縦のネットワークは卒業後も続きます。もちろん在学中、クラスメイトだけではなく、実務家教員や教授と飲みに行ったり、事務所訪問で先生方と仲良くなったり、ある程度積極的なアクションは必要になりますが、繋がりはいくらでも作れます。

みんな同じ法曹業界で働いているので、修習後も色んな場面で再会しがちです。裁判所でばったりとか良くあります。

なんだかんだで就活では余裕がある

※あまり「余裕」だとか言ってしまうと、気を悪くされる方もいらっしゃるかもしれませんので、ほどほどの記載に留めます。弁護士が就職難だという話が数年前にありましたが、上位ロー卒業生にとっては全く関係ありません。全く、です。

もちろん四大となると、大学もしくはロー在学中に予備試験経由で司法試験合格した人、ロー卒経由だとしても学内成績優秀者で1ブロックに入っている人などの上澄み層だけが、リクルート担当の先生に食事に誘われて、解禁日当日に電話が来ます。確かにこの層を目指す場合、さらなる努力とある程度持って生まれた知能も必要です。

そういったエリートの中の超エリート層を別に目指していないのであれば、普通に事務所に入ること自体は余裕です。受かったけどどこにも行き先がない、なんてことは聞いたことがありません(いわゆる下位ローでは、どうなっているのかわかりません…。)

実際に挑戦した社会人の声

司法試験や法科大学院上位校に挑んだ社会人たちは、その経験を通じて多くの学びや感動を得ています。以下は、実際の挑戦者たちの声の一部です。

27歳<br>社会人→<br>東大ロー既修
27歳
社会人→
東大ロー既修

私は働きながら予備試験経由で司法試験を目指していましたが、2回受けていずれも短答は合格したものの論文不合格でした。予備試験の突破は難しいと考え、2回目の予備試験を受験した年に、同時にロースクール受験をしました。早稲田、慶應、東大ロー(すべて既修)に合格。

ロー生活は想像以上に大変でしたが、今ではとてもよい思い出です。

29歳<br>司法書士→<br>東大ロー既修
29歳
司法書士→
東大ロー既修

司法書士としてキャリアを積む中で弁護士になりたい想いが高まり、予備試験を1回だけ受験しましたが、不合格でした。予備試験のあまりの厳しさを考えた時に、まだ20代で失敗したとしてもやり直しが効くと思い、ロー経由に切り替えました。結局、ロー2年生(=既修入学1年目)時の予備試験に最終合格しましたが、翌年の司法試験に挑戦はせずに、ローでの勉強を優先しました。ローを卒業して初年度の司法試験に合格し、今は希望していた外資系の事務所で働いています。

 

在学中に予備試験に合格すると、ローの勉強そっちのけで司法試験に突っ走る人の方が多いです。在学中にさらにそのまま司法試験まで合格した人は、退学してしまうことが多いのですが、私は出身学部が法学部ではなく、法律系の学歴が欲しかったので、急がずそのまま卒業することにしました。

 

大学生からストレートでローに来ている方々の中には、卒業時には20代半ばの年齢になるものの職歴がまだ無い状態になることから、焦ってしまう方もいます。私の場合は、数年の職歴を既に積んでいたため、焦りはありませんでした。これは社会人受験生の良い面だと思います。

 

予備試験経由の学生さんは行き急いでいる方も多いですが、私は学歴も欲しかったですし、せっかく入れたのですから、最後まで学生生活を満喫して卒業しました。良い選択だったと思います。

本記事を通じて、上位法科大学院経由の司法試験への挑戦の価値を再確認しました。社会人としての経験や知識を活かし、新たな学びの場でさらなる成長を目指すことは、自己の価値を高めるだけでなく、人生の質を向上させる大きなステップとなります。新しい挑戦に恐れず取り組むことで、未来の自分をより明るく、より豊かにすることができると考えています。