予備試験の受験生は、多大な心理的プレッシャーの中で日々勉強をしています。試験の難易度や競争率、そして自らに課す期待や目標など、さまざまな要因から追い込まれてしまう人が多々います。
長時間の勉強、不安や疲れ、そして時には自己嫌悪。これらの感情は、受験生の心を重くし、時にはそのパフォーマンスを低下させることもあります。
予備試験受験の心理的プレッシャー
予備試験の内容は幅広く、深い知識と理解が求められるため、十分な準備と継続的な努力が不可欠です。この難易度は、受験生に「本当に合格できるのだろうか？」という疑問や不安を抱かせることが少なくありません。
内から来るプレッシャー
さらに、このプレッシャーは外部からのものだけでなく、内部からのものも大きいです。自らに課す高い期待や目標、そしてそれに対する自己評価は、受験生の心を常に揺さぶります。特に、過去の失敗や挫折を経験した受験生は、自己評価が低くなりがちで、それがさらなるプレッシャーとなることもあります。自分で自分のことを追い詰めてしまい、苦しくなってしまう受験生が非常に多いです。
予備試験を目指すくらいですから、真面目で実直に生きてきたタイプの人も多く、そういう方はできない自分がどんどん嫌いになっていってしまいます。それでも勉強しなければと継続するも、なかなか成果が出ない現実に直面し、自己肯定感がどん底まで落ちてしまう場合があります。最悪の場合は、精神科や心療内科を受診せざるを得ない状態にまで落ちてしまう方がいらっしゃいます。
外から来るプレッシャー
また、周囲の目も無視できない要因です。家族や友人、同僚や先輩からの期待や、他の受験生との比較は、受験生の心に大きな重圧となります。特に、社会人として受験する場合、職場での評価や期待が加わることで、そのプレッシャーはさらに増大することがあります。
これらの外部・内部からのプレッシャーは、受験生の心理的な健康やモチベーションに大きな影響を与えてしまいます。
ストレスの受験への影響
ストレスは、私たちの心身にさまざまな影響を及ぼします。短期的なストレスは、集中力を高める効果があるとも言われていますが、長期的にはその影響は必ずしもポジティブではありません。
心理的な影響としては、不安や焦燥感、うつ症状、睡眠障害などが挙げられます。特に受験生は、試験に向けてのプレッシャーや期待、自己評価などからくるストレスが高まることが多く、これらの心理的な症状に悩まされることが少なくありません。また、モチベーションの低下や学習意欲の喪失も、ストレスの影響として現れることがあります。
身体的な影響としては、免疫機能の低下、消化器系のトラブル、頭痛や肩こり、高血圧などが考えられます。特に、長期的なストレスが続くと、これらの身体的な症状が慢性化し、健康を大きく損なう可能性があります。
さらに、ストレスは受験成績にも直接的な影響を及ぼします。過度なストレスは集中力を低下させ、記憶力や判断力にも悪影響を与えることが知られています。特に、試験当日のパフォーマンスには、ストレス管理が非常に重要となります。
ストレス解消方法
予備試験や司法試験への準備をしている限り、ストレスは避けられないとは思いますが、その影響を最小限に抑えるための方法は数多く存在します。列挙してみますので、参考になりそうなものを取り入れてみてください。
どれも当たり前のものばかりですが、疲れて視野が狭くなっている時に見直してみると、意外と盲点になっていて疎かにしてしまっていることに気が付く場合もあります。
◆瞑想やヨガでリラックスする
深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーション技法は、心と体を落ち着かせ、ストレスを和らげる効果があります。特に、短時間でできる深呼吸は、試験前や学習中の短い休憩時間に取り入れることができます。
◆適切な休息を取る
質の良い睡眠は、ストレスの蓄積を防ぎ、翌日の学習効率を高めるために不可欠です。特に、深い眠りが得られるREM睡眠は、記憶の定着や情報の整理に役立ちます。
◆適度な運動をする
適度な運動は、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があります。特に、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、心身のリフレッシュに効果的です。
◆趣味やアクティビティで気分転換する
好きなことをすることは、ストレスの解消に役立ちます。読書、音楽鑑賞、アート、ガーデニングなど、自分の興味や趣味に没頭する時間を持つことで、心のリセットが可能です。
◆人間関係を見直す
ストレスの原因となる人間関係を見直し、必要に応じて距離を置くことも大切です。また、信頼できる友人や家族とのコミュニケーションは、ストレスの発散に役立ちます。
◆プロのサポートを受ける
ストレスや心の悩みが深刻な場合は、カウンセリングや心理療法を受けることを検討することも一つの方法です。
ストレスは完全になくすことは難しいかもしれませんが、苦しくなってきた時はそれを無視してさらに進み続ける前に、一度立ち止まって自分の生活状況を見直してみましょう。
予備試験・司法試験の受験は長期戦です。短距離走ではなく、マラソンです。何かおかしいと思ったら、無理せず自分に合ったストレス解消方法を見つけて、適度に解消していきましょう。
程よいストレスは、良い結果をもたらすことがありますが、行き過ぎたストレスは自分を破壊してしまいます。
モチベーションの維持方法
モチベーションは、長期間にわたる学習や挑戦の中で維持するのが難しいものです。特に、予備試験のような大きな目標に向かって努力する際には、モチベーションの低下は避けられない現象となることが多いです。
しかし、適切な方法で何とかしてモチベーションを維持・向上させなければ、長期的に成果が出るまで学習を続けることはできません。
目標設定の重要性
明確な目標がなければ、努力の方向性や意義を見失いやすくなります。目標を設定することで、自分の進行方向や達成したい結果が明確になり、モチベーションの維持に繋がります。
目標の設定の仕方として「SMART目標」というフレームワークがあります。
| SMART | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| S (Specific) | 具体的な目標を設定する | 「次回の予備試験短答模試で180点取る」 |
| M (Measurable) | 測定可能な目標を設定する | 「毎日3時間勉強する」 |
| A (Achievable) | 現実的な範囲で達成可能な目標を設定する | 「1週間で予備試験の過去問題10年分を解く」 |
| R (Relevant) | 個人の大きなビジョンに関連する目標を設定する | 「キャリアを法律関連の分野に進めるために、予備試験の合格を目指す」 |
| T (Time-bound) | 期限を設定する | 「3ヶ月後の模擬試験までに」 |
モチベーションを維持・向上させるテクニックやアイディア
小さな成功を祝う
大きな目標に向かう途中での小さな成功や達成を祝い、自分を褒めることでモチベーションを維持する。
仲間との競争や協力
同じ目標を持つ仲間との健全な競争や協力を通じて、モチベーションを高める。
ビジュアル化
進捗状況や目標をビジュアル化することで、具体的な進行を確認し、モチベーションを維持する。
自分へのご褒美
目標達成時に自分へのご褒美を設定することで、モチベーションを向上させる。
日常の中で出来るちょっとした工夫も、メンタルを安定させて継続的な努力をするための力となります。モチベーションは、外部や他者から与えられるものではなく、自分自身の内側から湧き上がるものです。上記の方法を取り入れながら、自分自身のモチベーションを維持・向上させてください。
予備試験の受験生活は孤独です。私の場合は身近に受験生がいる環境だったので、受験生同士で情報交換をしたり、勉強会を開くことで、その孤独感を軽減することができました。他の受験生とのコミュニケーションは、新しい視点や学びのヒントを得る上でも非常に有益でした。
予備試験の受験は、知識や技術だけでなく、心理的な側面も大きく影響します。長期間にわたる勉強や試験のプレッシャーは、受験生のメンタルに大きな負担をかけることがあります。
自分自身を過度に追い込むのではなく、適切なサポートやリラックス方法を取り入れることで、心の健康を保ちながら、より健全な心と体で試験に臨めるように頑張ってください。
